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長い距離が歩けず、休み休みの休憩が必要。 足にできたキズ・ケガがなかなか治らない。
もしかすると「閉塞性動脈硬化症」かもしれません。

長い距離が歩けず休み休みの休憩が必要だ、もしくは足にできたキズがなかなか治らない。そんな事はありませんか?
このような状態の足には『閉塞性動脈硬化症』の可能性があります。当院では診断から治療まで専門的に診察を行っている血管外科を開設しております。不安・疑問をお持ちの方は、お気軽に当院へご相談下さい。


閉塞性動脈硬化症とは…

閉塞性動脈硬化症とは、心臓から出た動脈が動脈硬化の進行により内側が徐々に細くなり、更には完全に詰ってしまい閉塞状態になることで、血流が不足してしまう疾患です。(図1)

主に心臓を養う動脈や脳動脈、足へ向かう動脈に生じることが多いです。閉塞する動脈が冠動脈であれば「心筋梗塞」、脳動脈であれば「脳梗塞(脳卒中)を発症し、生命に関わる疾患です。

図1.動脈硬化のモデル

左:正常 中:狭窄病変 右:閉塞病変


近年では閉塞性動脈硬化症の中で主に足へ向かう動脈に問題がある病気を
末梢動脈疾患 Peripheral artery disease (PAD)」と
称することが増えてきました。
冠動脈疾患・脳動脈疾患・末梢動脈疾患、この3つの疾患は非常に関連深い病気として認識されています。
当院ではPAD の診断から治療までを専門的に取り組んでいます。

末梢動脈疾患との関連

末梢動脈疾患との関連 図1

主な症状

初期の症状では下半身に「冷感」「しびれ感」などがあらわれます。次の段階になると歩き始めは問題ないのですが、そのうちに立ち止まらなければいけないくらいに足が痛くなります。そしてしばらく休むと再び歩けるようになるという特異的な歩行形態がみられます。(間歇性跛行)
ただしこれらの症状は神経の疾患とも重なる症状のため見分けが難しい事があります。


更に動脈硬化が進行すると、じっとしていても足が痛い状態になり、強い鎮痛薬でも効かない程になります。(安静時痛)
最終段階まで進行すると、潰瘍や壊死に至った重度の症状となり下半身だけではなく生命にも及ぶ危険な状態になります。一般に脳梗塞や心筋梗塞は重篤な疾患として知られていますが、「PAD」では大腸癌より予後が悪い(死亡率が高い)との報告もあります。

閉塞性動脈硬化症が重度になった症例

治療する方法

「PAD」の治療方法として、以下があります。

① 保存的治療

手術を行わず、ライフスタイルの改善とお薬により治療を行う方法

  • 食事運動療法

    生活習慣病である動脈硬化は、高血圧症、糖尿病、喫煙、透析が危険因子であることが分かっています。地味な治療のように思われるかもしれませんが、生活習慣の改善のためには食事運動療法は非常に大切な治療法なのです。

    食事運動療法

  • 薬物療法

    薬物療法では血液の流れを良くするためにいわゆる『血がサラサラになる』薬を使って血液が固まりにくい状態にします。最近では薬も改良されており、間歇性跛行に効果的な薬剤も複数種類使用できるようになりました。

    薬物療法

② 積極的治療

保存的治療でも症状が改善しない方に行う治療方法

  • 動脈バイパス手術

    閉塞した動脈を飛び越えて遠く先の動脈へバイパスさせる手術です。バイパス血管としては、自身の静脈( 自家静脈) や人工血管が使用され、古くから行われてきた手術法です。利点は血が通わなくなった組織へたくさんの血液を流すことができます。欠点は一般的に全身麻酔が必要になるため、身体に大きな負担がかかってしまうことが挙げられます。PADの患者さんには全身状態が悪いことが多く、危険を伴う手術となることもあります。

    動脈バイパス手術の例
  • 血管内治療

    近年、医療機器の飛躍的な進歩により身体への負担が少ない治療が行えるようになりました。血管内に細長いカテーテルやガイドワイヤーを挿入し、閉じたり狭くなっている血管を拡げ、血流を再開させます。患者さんからは股の付け根にのみ針を刺されるだけで終わる治療として喜ばれ、「カテーテル治療」「バルーン拡張術」「ステント治療」としても広く知られています。最大の利点は、局所麻酔で行えるので、全身状態の悪い方でも治療が受けられることです。バイパス手術では数週間の入院が必要となることもありますが、血管内治療ではキズもほとんど目立たず、2~3日の入院で対応していることがほとんどです。欠点としては、どうしても血管内治療だけでは困難な病変があり、バイパス手術にかなわないことや、治療後に再び狭窄・閉塞してしまう可能性があることです。但し、こういった問題は日進月歩の医療機器の開発により克服されつつあります。

    ステンと治療に用いるバールンと治療手順

PAD は生活習慣病と深い関係があり、時には生命の危険が生じる病に至る可能性があります。当院では血管内治療とバイパス手術の両方に精通した血管外科医が個々の患者さんの状態に合った最適な治療を提供しております。